”原作者塩田武士、大泉洋に当て書きされた異色の作品”として注目が集まる騙し絵の牙の実写映画化!
小説のあらすじと書評、実際に読んだ原作本ファンの反応からこの小説のおもしろさの理由が分かって来ました。
さらに分かったのが映画化による小説との違いです。
これは原作本を読んでいない人は知っておきたいですよね!
注目されるきっかけになったとも言える「当て書き」と言うキーワード。
その意味とエピソードについても解説しますので、ぜひ映画の前にチェックしてくださいね。
原作者である塩田武士の意外な経歴と、そこからうまれた騙し絵の牙のあらすじや当て書きのエピソードとは?
そして気になる映画化で原作本との違いはどう出て来る?
この企画が始まってから今回の映画化までにかかったと言う想像以上の時間…
それは小説読者の書評にもしっかり表れていました。
6月公開の映画・騙し絵の牙、まずは当て書きのエピソードから解説して行きます!
騙し絵の牙小説原作本は大泉洋の当て書き?エピソード解説
主人公に大泉洋さんをあて書きして執筆した、大泉洋主演小説!『騙し絵の牙』(早くも4刷!!)著者・塩田武士さんが『スッキリ』(日本テレビ系 8時から)に生出演されます。
本の告知もしてくださいますので、是非ご覧ください! pic.twitter.com/qP9B2Ix8cI— ダ・ヴィンチ編集部 (@davinci_editor) October 5, 2017
原作「騙し絵の牙」は表紙も主人公のモデルも大泉洋さん。
実写映画化にあたりご本人が「別の俳優さんに役を奪われなくてホッとしている」なんてコメントもしていましたね。
前作「罪の声」で週刊文春ミステリー部門1位を獲得した塩田武士さん。
その塩田さんの新作と言うだけでも注目が集まるのに、あの大泉洋さんに「当て書きして書かれた」と言うフレーズであっという間に有名になりましたよね。
当て書きって何?
なんとなく意味は分かるけど今さら聞けない!
そんな人のために、まずは当て書きの意味とそのエピソードをご紹介します。
大泉洋の当て書きエピソード
【『騙し絵の牙』2018年 #本屋大賞 ノミネート!】大泉洋さんコメント①「そもそものきっかけは、「映像化された際に僕が主演できるような小説はない?」と長年尋ねられ続けた編集者がおそらく面倒になって(笑)、「もう私がつくります!」と、塩田さんへ執筆依頼に伺ったことから始まった企画でした pic.twitter.com/N1p43JiLGr
— ダ・ヴィンチ編集部 (@davinci_editor) January 21, 2018
そもそも当て書きってなんだろうと思った人もいますよね。
「この役を演じるのはこの俳優だ、それなら最初からこの俳優をイメージして脚本をつくろう」と言う作り方。
これが”あてがき”です。
ドラマの世界では一般的な文化なんですよ。
ところが今作は、主人公に大泉洋さんと言う国民的な俳優を当て書きして執筆された小説。
いままで誰もやったことがなかったメディアミックスで世に出す前提と言う形で作り出された小説です。
これが「前代未聞の社会派エンタメ」と言われ注目されている理由のひとつなんです。
『できあがった小説を大泉洋さん主演で実写映画化するところまで持っていく。』
塩田武士さんは当初からのこの目標だったと言います。
大泉洋さんは文庫本の解説でこのように話しています。
塩田さんのすごいところは僕をイメージしながらも「大泉洋っぽくないところ」を速水に盛り込んでいるところ。
パブリックイメージにある僕だけでなく、そのなかにある決してわかりやすくない部分を掘り出してくれた。
それが興味深く、不思議な感覚。
この感覚は読む人にとっても同じはず。
そもそも誰かを想定して読むと言う経験ができないのが小説で、だだただ大泉洋と言う男をイメージしながら読む。
そこから驚きの渦に巻き込まれて行くのがこの作品の面白さ。
ラストで速水の隠された一面とタイトルの意味に気づいた!
僕も騙された!!
企画が始まり、雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載、単行本の発売、文庫本の発売を経ての映画化。
クランクインまで実に6年、大泉洋さんの取材には4年かけたそうなんです!
ご本人も感慨深いはずですよね。
騙し絵の牙小説の原作本あらすじ解説
スポーツ報知から、塩田武士氏原作、大泉洋さん主演映画「騙しの絵の牙」の記事です。
大泉さんは編集長の速水輝也役で、原作小説は大泉さんのラブコールから企画スタートしたこともあり、大泉さんの口調やモノマネも忠実に反映された作品とのことです。 pic.twitter.com/q9WGq70hLF— 壽太郎 (@zyutarou_komcom) April 2, 2018
小説「騙し絵の牙」では、大泉洋さんそのまんまの主人公速水を取り巻く出版業界が描かれています。
馴染みがない人が多い業界ですよね。
小説のあらすじを見ていきましょう!
主人公・速水輝也は雑誌「トリニティ」の編集長。
創業一族の社長が急逝し、権力争い真っただ中の大手出版社・薫風社ではお荷物誌扱いされています。
編集局長から廃刊の話をちらつかせられた事で、窮地においやられた速水はなんとか黒字化しようとがんばります。
ここで見せられるのが速水の人たらしな性格と持ち前の機転です。
まさに大泉洋さん!と思わせられるユーモアあふれるあの手この手で難局を乗り切る!!
…と言いたいところですが、そうそううまく行く事ばかりではありません。
「無敵の編集長・速水」の無力さも徐々に見えてきます。
大事な娘との関係や家庭の崩壊…
派閥争い真っ直中の社内では、「トリニティ」存続を賭けて我が身をかえりみずたたかいます。
作家や読者に寄り添おうとした速水と、利益重視の経営陣の勝敗はいかに?!
そして「騙し絵の牙」真骨頂とも言われるエピローグ!!
大泉洋さんも騙された!と言っていた部分ですね。
出版業界不況のあおりを受け奔走する速水、社会では嘘や裏切りと言った一面は誰にでもあるもの。
翻弄される速水に待っている結末とは…?!
小説はこのようなあらすじになっています!
騙し絵の牙の書評は?
『騙し絵の牙』読みました。不安3割好奇心7割で読み進めるタイプの社会派小説で、読了後は「わあ…」と感嘆の息が漏れました。バラエティー番組で見る大泉洋さん、塩田武士さん作品、紙媒体の本を読むことが大好きな皆さんにオススメです!凄い作品故に心を掻き乱されすぎてすぐには読み返せない。。 pic.twitter.com/qnGmCArhzG
— ちーずかまぼこ (@chiiikama0611) September 24, 2017
原作の騙し絵の牙、もうすでに読んだ人も多いかもしれません。
読者からどのような反応がみられたのか、見て行きましょう!
騙し絵の牙すごいのは最後最後って言われてるけど、そこにたどり着くまでの細かい設定とか伏線とか、登場人物がちゃんと明と暗どちらも持ち合わせていているところとか、プロットの緻密さゆえの読み応えだと思う。
おじさんとおじさんが心理戦を繰り広げる…これが出版業界と言う世界か。働きすぎ男性に響く。速水がちゃんと大泉洋で、それだけで普段小説読まないけど楽しめた!
大泉洋のしゃべり方の癖とか、間とか。忠実に再現されてるのが字で分かるってすごいよね。最後は衝撃!と言うよりものすごく納得した感じ。「騙し絵」の「牙」か、なるほどと思った。特に題章からエピローグにかけての疾走感は引き込まれる。
塩田さんってもともと新聞記者なんだね!出版業界に身を置く立場としては妙にリアルで何度かゾッとしたwそれだけの取材量だったって事か。人間臭いやり取りも綺麗ではない仕事も、この生々しさが映像でどう表現されるのかな?!速水のキャラにすごく肩入れしてしまって、最後まんまと持っていかれました!!
「会話文が大泉洋の声で再生される」と言う声が多く、これには著者の塩田武士さんもホッとしたそうです。
大泉洋さんは話し方や声にも特徴がありますよね。
一瞬で速水のキャラクターのイメージが入って来るのも分かります。
原作の小説では、この速水と大泉洋さんの繋がりを読者が感じるからこそ”騙し絵が発動する瞬間”の驚きが増す、とのコメントがありました。
速水=大泉洋のイメージで読んだ人はラストで「まんまと騙された!」となったわけです。
ただ気になるのがこんな声です。
原作読んでから映画の配役見ると、登場人物が全然違ってておどろく。小説に出て来ない人いっぱいいない?年齢とかの設定どころか名前も違うよね。
なんと、原作とは登場人物から明らかに違うんです!
やはり映画では内容もガラっと変わるのでしょうか?
騙し絵の牙の小説原作本と映画の違いは?あらすじ解説
騙し絵の牙 の速水って、この洋ちゃんのイメージ。
本とはまた違うストーリーのようなので、公開が楽しみ。 pic.twitter.com/C4xdIOOXZM— misan (@misandesu) January 15, 2020
原作と映画、どうやら登場人物が違うことは書評から分かりました。
内容はどのように変わって来るのかも気になりますね!
注目したいのが、原作に比べてかなり登場人物が増えていると言う点。
より人間関係が複雑になるのでは?と予想されます。
「全員嘘をついている」と言うキャッチコピーから想像できるのは、飛び交ううそ、リーク、裏切り、告発などの数々。
これは原作よりも複雑に入り組んでくるのではないでしょうか!
小説のようにちょっと戻って確認する…と言う事ができませんので、映画を見る時は集中する必要がありそうですね。
気を抜けません。
騙し絵の牙の文庫本はなんと400ページをこえる大作です。
一般的な小説で実際に出版されているものの平均ページ数が200~300と言われていますので、かなり長い事がわかりますよね。
これは、エピローグが真骨頂と言うこの小説の特徴のためかもしれません。
この後半(むしろ最後の最後)に重点を置く内容から、一般的な映画の流れとは違って来る事も考えられますね。
登場人物の違いから原作とのストーリーがより複雑になる事が予想されますが、肝心なのはこの物語のテーマです。
「大泉洋の明るい笑顔が、見終わったあと異なる意味を含んだ笑顔に見える」と言う小説著者の塩田武士さんの狙いは当たるのでしょうか!
まとめ
大泉洋さんが小説に“主演”する異色の小説「騙し絵の牙」!あすは大泉洋さんと作家の塩田武士さんにインタビューしてきたよ♪どんな小説なんだろ?(⊃•̀ω•́)⊃✎⁾⁾#めざましテレビ pic.twitter.com/wthlOIxECV
— めざましテレビ (@cx_mezamashi) August 29, 2017
映画「騙し絵の牙」原作本あらすじとの違いや、小説読者の書評、そして原作者である塩田武士さんの当て書きエピソードも解説して来ました!
もともと原作本の「大泉洋を当て書きして書かれた」と言うエピソードを知っている読者も多いこの小説。
原作者の塩田武士さんと同じくらい、今回の映画化は感慨深いものかもしれません。
原作ファンからは、この小説がすごいのは結末だけじゃない、むしろそこまでの過程だ!と言う書評がたくさんありましたね。
それも塩田武士さんの元新聞記者と言う小説家としては変わった経歴。
そして4年にわたる取材や観察眼ゆえかもしれません。
ここまで解説して来た通り、速水=大泉洋と思っていればいるほど「騙し絵の牙」が楽しめると言う事ですので、映画を見る時は意識したいですね!
小説をすでに読んだ人からは、映画での登場人物の違いやあらすじ予想で「もしかしたら小説をあとに読んだ方が楽しめたかも」と言う反応もあるんです。
まだ原作を読んでいない方は、映画と小説、どちらを先にしますか?
そして原作ファンにとっては映画のなかでどのようなストーリー展開が繰り広げられるのか、楽しみですね!